万年筆のこと

 先日、テレビで50年前に大ヒットした万年筆のテレビコマーシャル「はっぱふみふみ」を放映していました。

 高校や大学の入学祝いの定番が万年筆だったのは、ずいぶん昔のお話です。当時、入学祝いで万年筆をもらった若者は、ちょっと大人になった気分を味わっていました。
 なぜ、万年筆を手にすると「大人の気分」を味わえたのか?
それには、公文書が関わります。

 当時、万年筆は公文書への記載を認められていた筆記用具の代表でしたから、大人は万年筆を持っているのが当たり前でした。
高価でもあったその万年筆を所有することは、社会の一員、大人の一人として認められた証のようなものだったわけです。

 しかし1970年代にボールペンによる公文書への記載が認められた後、品質がどんどん向上し価格も安いボールペンに万年筆は追いやられていくこととなります。
 ただ万年筆が、おそらく筆の次に弱い筆圧でも書ける「疲れない筆記用具」であることは、今もかわらないでしょう。

 「紙に書く」という機会自体、ずいぶん少なくなりましたが。

 

PAGE TOP