最高権力者にも求められる「適切な文書管理」

アメリカのトランプ前大統領の自宅にFBIが家宅捜索に入った、というニュースをご存知の方も多いと思います。

同国では「大統領記録法」が制定されて以来、大統領在職中の記録は連邦政府の財産とされ、国立公文書館の大統領図書館部の管理下に置くことになっているそうです。

これにより、歴代の大統領はその職を退任すれば公務に関する記録を国立公文書館に引き渡さなければならないところを、前大統領はそれらを自宅に持ち出したことによって同法を違反した疑いが持たれているというのです。

在職中から「前例なき、予測不能の行動」をとってきた前大統領でしたが、退任後もそうした振る舞いを行っていたことに、言葉も見つかりません。

今回の件で個人的に驚きと感心を得たのは、「大統領記録法」が最高権力を持つ者に対しても「在任中の適切な記録管理」と「(退任後の)記録の引渡し」を求めていること、さらにそれらの記録が歴代の大統領ごとに設置された「大統領図書館」のもとで保管・管理されることが確立していることです。

日本の現状と比較すると、公文書管理に関する国家・国民の意識に相当な差があることを感じたニュースでした。

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